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空調室外機がうるさい?室外機騒音の原因と対策のポイントを解説

データセンターをはじめ、オフィスビル、商業施設、病院、ホテルなどの屋上には、数台から、多い場合は数百台もの空調室外機が並んでいます。空調室外機が発する騒音は台数が増えれば増えるほど積み重なり、近隣への影響も無視できなくなります。
 
「室外機の騒音で近隣から苦情が来た」
 
「低い唸り音が24時間鳴り続けていて、対策を求められている」
 
こうしたご相談は、施設の設備担当者やビル管理者の方から多く寄せられます。空調室外機の騒音は、ファンの風切り音だけでなく、コンプレッサーから発生する低周波音が複合的に絡んでおり、家庭用エアコンの延長線上で考えると対策を誤ることがあります。
 
前回の記事では騒音源ごとの対策を概観しましたが、本記事では「空調室外機」にテーマを絞り、発生する騒音の特性と近隣への影響、そして事業用施設で実施すべき具体的な防音対策について解説します。室外機の騒音の対策を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

空調室外機の騒音が問題になりやすい理由

空調室外機の騒音が問題になりやすい理由は、主に3つあります。
 
ひとつは「台数の多さ」です。
一般的に、室外機1台あたりの騒音は60dB程度(普通の会話と同程度)と言われています。しかし大規模な施設になれば、その分室外機の数も増えます。特にデータセンターではサーバーが発する膨大な熱を冷却する必要があるため、一般的なオフィスビルや住宅とは比較にならない数の室外機が必要になります。同じ場所に何十台も集中すれば、騒音レベルは大幅に上昇してしまいます。
 
もうひとつは「稼働時間」です。
データセンターのように24時間365日稼働し続けている施設では、空調も止まることはありません。日中は周囲の環境音に紛れていても、夜間になると室外機の音が一気に目立ちます。深夜帯に「ブーン」という低い音が途切れなく聞こえてくる状況は、近隣住民にとって大きなストレスになるでしょう。
 
3つ目は「設置場所」です。
規模の大きな施設の室外機は屋上に設置されるケースが多いですが、屋上は周囲に遮蔽物がない場合がほとんどです。こうした環境では、音が四方に拡散しやすいうえ、高い位置から発せられた音は地上よりも遠くまで届きやすい傾向があります。

空調室外機の特性を知ろう

対策を考える前に、まず室外機が発する騒音の種類を知っておきましょう。空調室外機の騒音は、大きく分けて「ファン音」と「コンプレッサー音」の2種類に分類できます。
 
◾️ファン音
室外機の外側に取り付けられた大型ファンが回転することで発生する音です。空気を吸い込み、吹き出す過程で「ゴォー」という風切り音が発生します。
ファン音は、中〜高周波成分の周波数帯域を多く含むため、防音壁などの遮音対策が比較的効きやすい騒音です。ただし、ファンの回転数や羽根の形状、経年劣化によって音質が変わることがあり、異音が発生すると騒音レベルが跳ね上がることがあるため、注意が必要です。
 
◾️コンプレッサーの振動音・低周波音
室外機内部のコンプレッサー(圧縮機)は、冷媒を圧縮する際に振動を発生させます。この振動が筐体や設置面に伝わり、「ブーン」という低い音として放射されます。
コンプレッサー由来の騒音で問題になりやすいのは、低周波成分を多く含む点です。
100Hz以下の低周波音は防音壁を設置しても壁を回り込んで伝わる性質があり、一般的な遮音材では十分な効果が得られないケースが多いです。また、低周波音は空気中での減衰が小さく、数百メートル離れた場所でも感じられることがあります。
 
空調室外機の騒音はこれらのファン音とコンプレッサー音が複合した「混合騒音」であり、対策にはそれぞれの特性に応じたアプローチが必要となるのがポイントと言えるでしょう。

具体的な防音対策

ここからは、空調室外機の騒音を低減するための具体的な対策手法をご紹介します。前回の記事でも触れた「遮音・吸音・防振」の3つのアプローチを、室外機の特性に合わせて組み合わせることがポイントです。
 
①防振ゴムマットによる振動音の低減
最も基本的な対策のひとつが、室外機の下に防振ゴムマットや防振架台を設置する方法です。コンプレッサーの振動が設置面(屋上スラブや鉄骨架台)に直接伝わるのを防ぎ、構造伝搬音を低減します。防振対策は、建物内部に伝わる振動や「体に響く低い音」を抑える効果は体感上非常に大きいです。
ただし、薄いゴムパッドでは業務用室外機の荷重に耐えられず、十分な防振効果が得られないことがあります。事業用施設では、荷重計算に基づいた専用の防振ゴムや防振架台を選定することが重要です。
 
②防音壁・防音パネルによる囲い込み
室外機の周囲を防音壁や防音パネルで囲い、音の伝搬経路を物理的に遮断する方法です。コの字型やロの字型に防音壁を配置し、室外機を囲むことで、防音壁単体で10〜15dB程度の騒音低減が見込めます。
ただし、壁で完全に囲んでしまうと通風が妨げられ、冷却効率の低下や機器トラブルにつながるおそれがあるため、防音壁の一部に開口を設けて空気の取入れを行います。但し、開口にしてしまうことで音漏れが発生するため開口部に消音ルーバーを取り付けます。空気の取り込みを行いながら音漏れを低減させる有効的な方法といえます。

③サイレンサーを用いた本格的な消音対策
室外機の台数が多い場合や、敷地境界での騒音規制値をクリアしなければならない場合は、防音壁と消音ルーバーだけでは不十分なケースがあります。そうした場合に効果を発揮するのが、サイレンサー(消音器)です。
サイレンサーは厚みのある吸音パネルを複数列配置した構造で、パネル間を通過する空気から音エネルギーを強力に吸収・減衰させます。ファン音からコンプレッサー由来の低周波音まで、幅広い周波数帯域に対応できるのが特徴です。空気の流れを大きく妨げない設計のため、室外機の冷却性能を維持しながら高い消音効果が得られます。防音壁との併用により、遮音と吸音の相乗効果で大幅な騒音低減が可能です。

事業用施設の騒音対策で押さえるべきポイント

「室外機 騒音対策」で検索すると、市販の防振ゴムパッドの設置や、室外機カバーの取り付けといった情報が多くヒットします。家庭用エアコンの室外機1〜2台であれば、こうしたDIY的な対策でも一定の効果が得られることはあります。
しかし、データセンターやビル屋上に数十台から数百台の室外機が設置されている事業用施設では、事情がまったく異なります。
 
◾️台数が多く、騒音が複合的に重なる
1台ずつ個別に対策しても、全体としての騒音低減効果は限定的です。現場全体の音響環境を把握した上で、どこにどのような対策を施すかを設計する必要があります。
 
◾️通風・排熱の要件が厳しい
事業用の空調システムは、通風量が確保できないと冷却能力が低下し、設備全体の稼働に支障をきたします。騒音対策と通風確保を両立させるには、圧力損失を考慮した専門的な設計が不可欠です。
 
◾️法的な規制への対応が求められる
事業用施設では、騒音規制法や自治体条例で定められた敷地境界での規制基準を満たす必要があります。対策前後の騒音レベルをシミュレーションし、確実に基準をクリアできる対策を講じなければなりません。
こうした複合的な要件を満たすためには、騒音測定から設計、施工までを一貫して対応できる防音の専門業者に相談することが、最も確実で効率的な方法です。

まとめ

本記事では「空調室外機」にテーマを絞り、発生する騒音の特性と近隣への影響、そして事業用施設で実施すべき具体的な防音対策について解説しました。

空調室外機の騒音は、ファンの風切り音とコンプレッサーの低周波音が組み合わさった複合騒音です。特に低周波音は防音壁を回り込み、遠くまで届き、数値以上に不快感を与えるという厄介な性質があります。
 
1台や2台では問題にならないことが多いですが、事業用施設では室外機の台数の多さや通風要件、規制対応など、一般家庭や小規模施設とは比較にならない複雑さがあります。確実に効果を出すためには、計画段階から専門業者と連携することをお勧めします。
 
空調室外機の騒音対策でお困りの方は、ぜひ一度ブルアンドベアにご相談ください。現地調査による騒音測定から、対策設計、施工、効果検証まで、一貫してサポートいたします。

私たちは創業以来30年以上にわたり、さまざまな騒音問題の解決に取り組んできました。
 
空調室外機をはじめとする施設騒音から、非常用発電機の大型サイレンサーまで、現場条件に応じた最適な防音プランをご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。